天満橋・北浜 part1
今、大阪は、<東>−EAST−が一番面白いかも?!
1.
東の玄関口「八軒屋船着場」
京街道の出発点は、ここ天満橋で、古くは「八軒屋」と呼ばれた宿場が集まった船着場として栄えていました。今では昔の船着場の面影はほとんど見られず、「八軒屋船着場」の石碑があるばかりになってしまいました。
ちなみに、今ではこの「八軒屋」という名称もわずかに市営地下駐車場の名称に留めているだけになってしまっています。
この石碑は、昆布が美味しい老舗の
永田屋さんの玄関前にあり、八軒屋に関するパンフレットが無料で配布されてます。まずは目を通してもらえれば昔の雰囲気が分かるかと思います。
さて、昔の船着場がなんでこんなところに?という事になりますが、もともと江戸時代までは大川は今の土佐堀通りの当たりまで迫っていた様です。永田屋さんの横に入ったところに、今でも石段の階段があり、わずかにこの階段とその脇の駐車場に見える石垣だけが当時の様子を残しているとの事です。
石段を登るとちょっと広めの公園があり、その公園を囲むように沢山のお店が並んでいます。
特に公園の正面には老舗の料亭「
大乃や」があり、オフィス街のモダンな空間の中で和風の静かな佇まいを見せています。昔の八軒屋はこんな感じのお店が並んでいたんでしょうか。
お勧めは、ランチも美味しい焼酎バーの
「雫」、その路地を入ると伊料理の
「POMODORO ROSSO」と仏料理の
「Le Argent」が並んでます。
実は、この公園周辺は、美味しくて可愛いお店のちょっとした穴場スポットです。
2.
旅の起点は高麗橋
さて、古くはこの八軒屋や天満橋が街道の起点だったのですが、江戸時代に入ってからは
高麗橋に起点が移されました。この高麗橋は、今では高速道路の下を通る小さな橋ですが、幕府直轄で管理されていた由緒のある橋だったようです。
今でも、町名としては「高麗橋」は残されていますが、実はこの高麗橋って、今ではとても可愛いらしいポケットパークのような橋になっています。
大阪は昔から橋の多さでよく知られた街ですが、江戸時代から掛けられた橋の名前は今でもきちんと継承されています。今では橋そのものは少なくなってしまいましたが、大川周辺の橋はどれも由緒のある橋で今でも健在です。中ノ島公園の緑を見ながらのんびり橋をわたってみるのも楽しい散歩コースです。
高麗橋のすぐ横の紺色の建物の脇を地階に向かって階段を下りれば、そこがお洒落な隠れ家風カフェ
「DETAIJ(デタイユ)」。天満橋周辺のデザイナーのたまり場的なスポットで、夜はバーに代わって静かに盛り上がってます。
3.
大川の桜と西天満
建築家安藤忠雄氏も大阪といえば桜だと主張するように、天満橋から桜ノ宮にかけて大川の桜は一見の価値ありです。
天満橋の桜というと、
「造幣局の桜並木」が全国的に有名になりましたが、ここは八重桜などちょっと代わった桜が楽しめますが、大変混雑するので見に行く場合には心の準備が必要です。
むしろ大川の河岸の桜をのんびり眺めながら大阪の一番綺麗な風景を楽しむ方が良いかもしれません。
ちなみに桜の見所は大川の北側。天満宮のある方がお勧めです。江戸時代、大阪の市街地は三郷と呼ばれ、それぞれ南組、北組、天満組と別れて自治組織が整備されていました。ちなみに天神祭はこの天満組のお祭りで、大川を挟んで南側の天満橋から北浜にかけてのエリアが「北組」、長堀から道頓堀までのちょうど今の南船場から島之内あたりが「南組」になります。
4.
天神祭り以外にも・・・「天満橋商店街」
大阪の夏はなんといっても天神祭。花火に川渡御とメインイベントは100万人を超える人出になります。ただし普段はこの当たりはどんな感じなのかというと、実は、新しいお店が軒並み増えてる美味しい食べ物屋の超激戦地区。
老舗と新しい店とが不思議な共存関係にあり、土佐堀通りがちょっと高級なレストランスポットとすると、この天満橋商店街はお手軽でお洒落な美味しいお店が選べます。